原著
肝,胆,膵腫瘍に対する超音波誘導下穿刺吸引細胞診の検討
武藤 邦彦, 信田 重光
獨協医科大学第1外科
肝,胆,膵領域の疾患の質的診断を目的として,種々の形態学的検査を併用し,超音波誘導下穿刺吸引細胞診を行った結果,116例の正診率は90.5%であった.肝では,正診率97.5%であり,転移性肝癌の細胞像に注意が必要で,膵では,正診率92.0%であり,細胞成分を十分に採取すれば高い正診率の得られることが示唆された.しかし,胆嚢に関しては,正診率84.3%で,胆汁中の浮遊細胞が多いので,検鏡上細胞の解読に正確さが要求されること,適切な細胞成分を得るため,採取方法の工夫が必要であることが示唆された.また,それぞれの臓器より採取された細胞像の特徴につき述べた.
索引用語
超音波誘導下穿刺法, 吸引細胞診, 肝腫瘍, 胆嚢腫瘍, 膵腫瘍
日消外会誌 18: 1842-1850, 1985
別刷請求先
武藤 邦彦 〒321-02 栃木県下都賀郡壬生町北小林880 獨協医科大学第1外科
受理年月日
1985年4月17日
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