原著
レーザードップラー血流計によるイヌ小腸粘膜,膵,脾局所血流連続測定の検討
柳橋 健, 今村 正之, 水谷 直己, 田窪 健二, 戸部 隆吉
京都大学医学部第1外科
レーザードップラー血流計(LD5000)を用いて成犬18頭の麻酔下での小腸粘膜,膵,脾表層の局所血流連続測定を行い,norepinephrine,secretin静注による血流反応を観察するとともに本法の基礎的検討を行った.本装置の測定値(flow parameter)は測定領域(約1 mm3)内の赤血球のRMS流速と赤血球密度の平方根の積に比例することを示し,またプローブの固定法を工夫してアーチファクトを減少させることができた.norepinephrine静注により各臓器とも再現性のある血流反応曲線を認め,脾では赤血球容量の減少によるDCレベルの上昇も認められた.またsecretin静注による膵血流増加に二つの反応パターンを認めた.本法は簡便で連続的な局所血流測定法として今後の応用が期待できる.
索引用語
レーザードップラー血流計, 小腸粘膜血流, 膵血流, 脾血流, secretin
日消外会誌 18: 1865-1874, 1985
別刷請求先
柳橋 健 〒606 京都市左京区聖護院川原町54 京都大学医学部第1外科
受理年月日
1985年4月17日
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