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第18巻 第8号 1985年8月 [目次] [全文 ( PDF 301KB)]
原著

ラットの結腸間移植回腸におけるDMH発癌

安富 正幸, 松田 泰次, 小川 雅昭, 丸山 次郎, 坂田 育弘, 黒岡 一仁, 桂 康博, 岩佐 善二

近畿大学第1外科

 SDラットの回腸を結腸間に有茎移植術を行ったのち,1,2-dimethylhydrazine(DMH)10 mg/kg×16週を投与し,大腸発癌の促進因子を解明しようとした.
 手術の影響を除外し,回腸上皮の結腸化の可能性を検討するために,DMH投与開始時期を術後2週と16週に分けた.術後2週の群,16週の群ともにそれぞれ9.5%,6.5%の頻度で結腸間に移植した回腸に発癌した.しかし対照群および移植群でも正常回腸には癌は認められなかった.このことから,本来回腸にはDMH発癌に抵抗性であるが,結腸間移植により発癌すること,術後早期投与群では手術による促進作用,晩期投与群では回腸粘膜の変化による発癌促進があることが推察された.

索引用語
S-Dラット, DMH発癌, 結腸間回腸移植, 大腸腫瘍

日消外会誌 18: 1875-1879, 1985

別刷請求先
安富正幸 〒589 南河内郡狭山町西山380 近畿大学医学部第1外科

受理年月日
1985年5月15日

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