宿題報告
消化器外科とコンピュータ情報科学
前谷 俊三
京都大学医学部附属病院手術部
消化器外科領における意志決定において,コンピュータによる解析と臨床医の判断の優劣や特性を比較した.例題としては腸閉塞時の腸吻合の危険予測,腹膜炎における開腹の判断,問診による直腸癌の拾い上げ,胃癌予後因子の順位づけ,胃癌患者の病期分類,短期追跡データによる長期予測などである.その結果,コンピュータによる多変量解析やその他の解析結果が臨床医の判断をしのぐ場合と,全く逆の場合がみられた.これを基に臨床的意志決定におけるコンピュータ情報科学の果す役割,その限界,および将来の課題について述べた.
索引用語
臨床的意志決定, コンピュータ情報科学, 診断治療のアルゴリズム, 多変量解析, 生存時間データ解析
日消外会誌 18: 1941-1950, 1985
別刷請求先
前谷 俊三 〒606 京都市左京区聖護院川原町54 京都大学医学部附属病院手術部
受理年月日
1985年5月15日
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