宿題報告
胃癌の補助免疫化学療法
三輪 恕昭
岡山大学医学部第1外科
胃癌例への免疫賦活剤(N-CWS,OK-432,PSK)術前経内視鏡的胃癌内投与は,局所に予後良好因子であるリンパ球浸潤をもたらし,所属リンパ節の免疫活性を高めた.このリンパ球はTリンパ球で,OKT8+,Leu7+が多かった.全身免疫療法としてのレバミゾールの術前よりの3投11休投与は,手術侵襲による細胞性免疫能低下の防止と,stage III胃癌例の,治癒切除のできた,癌腫が中等度の大きさの,n1(+),se例に有意な延命を与えた.上中部胃癌全摘例への摘脾はstage II,IV例に著しい延命をもたらし,stage III例では脾温存の上,stage IV例では摘脾の上での免疫療法が有効だった.またOK-432 20~30KEの閉腹前腹腔内投与は腹膜播種防止を期待させた.
索引用語
胃癌, 免疫化学療法, リンパ球浸潤, 摘脾, 腹膜播種
日消外会誌 18: 1951-1960, 1985
別刷請求先
三輪 恕昭 〒652 神戸市兵庫区菊水町5丁目 由井病院
受理年月日
1985年6月19日
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