原著
治癒切除食道癌の再発型式に関する検討
渡辺 寛, 加藤 抱一, 飯塚 紀文
国立がんセンター病院外科
治癒切除され剖検しえた食道癌症例について再発形式を初発再発,2次再発,剖検時再発の多時点にて検索・分析し,次のような結果を得た.(1)局所再発:n0群に局所再発が多く,17例中5例,29.4%であった.(2)血行性再発:n0群6例では,骨転移(2/6),皮膚,筋肉各1例のまれな初発再発が目立ち,2次再発にて肺・肝転移が出現したn(+),群10例では初発,2次再発ともに肝転移が目立った.(3)リンパ行性再発:n0群の初発再発は鎖骨上窩リンパ節再発(3/6)が多く,比較的予後良好であったが,n(+)群の初発再発は傍気管リンパ節再発が50%と多く,予後不良であった.
索引用語
治癒切除食道癌, 食道癌初発再発形式
日消外会誌 18: 1973-1979, 1985
別刷請求先
渡辺 寛 〒104 中央区築地5-5-1 国立がんセンター外科
受理年月日
1985年5月15日
|
PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です |
|