原著
Cimetidine出現後の胃・十二指腸潰瘍に対する外科的治療の変化
谷口 勝俊, 大嶋 研三, 遠藤 悟, 小西 隆蔵, 浅江 正純, 尾野 光市, 岡 統三, 福永 裕充, 山本 誠己, 山本 達夫, 河野 暢之, 勝見 正治
和歌山県立医科大学消化器外科
Histamine H2-receptor antagonist;cimetidineの出現後の胃・十二指腸潰瘍の外科的治療の変化を前期3年と後期3年で比較することにより明らかにした.当施設の消化性潰瘍手術は前期155例,後期59例と有意に減少した.また,手術適応は後期では難治,出血が減り,穿孔,狭窄の比率が高くなった.ストレス潰瘍でcimetidineを使用した8例中7例(88%)に止血効果が認められた.小児.新生児胃・十二指腸潰瘍の症例にもcimetidineが有用であった.さらに,cimetidineの有用性,止血効果について臨床評価したが,慢性腎不全および肝障害に伴う潰瘍には効果は乏しかった.最後にcimetidine時代においてもなお,手術適応の潰瘍症例があることを述べた.
索引用語
cimetidine, histamine, H2-receptor antagonist, 胃十二指腸潰瘍, ストレス潰瘍, 小児消化性潰瘍
日消外会誌 18: 1980-1986, 1985
別刷請求先
谷口 勝俊 〒640 和歌山市7番丁1 和歌山県立医科大学消化器外科
受理年月日
1985年5月15日
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