胃癌における大動脈周囲リンパ節の分類と郭清の意義

米村　豊, 橋本　哲夫, 片山　寛次, 宮田　龍和, 沢　敏治, 高嶋　達, 谷　卓, 宮崎　逸夫, 三輪　晃一^1）

金沢大学第2外科, 福井医大第1外科^1）

　大動脈周囲リンパ節を6カ所に分類し，これらのリンパ節と胃リンパ流との関連をRIリンフォグラフィー（47例）で検討するとともに実際の大動脈周囲リンパ節転移胃癌23例で検索した．胃上部では左下横隔動脈周囲および大動脈左側リンパ節が，胃中・下部では左下横隔動脈周囲リンパ節を除く大動脈周囲リンパ節が関連している．この所見は実際の胃癌転移部位と同様であった．大動脈周囲リンパ節転移例のうち相対非治癒切除23例の5年生存率は18％であり，同リンパ節の郭清は外科臨床上意義のあるものと考えられた．また胃上部癌，特に噴門癌では左下横隔動脈周囲リンパ節の重要性を強調したい．

索引用語
胃癌と大動脈周囲リンパ節, 左下横隔動脈周囲リンパ節, 胃RIリンフォグラフィー

別刷請求先
米村　豊　〒920　金沢市宝町13-1　金沢大学医学部第2外科

受理年月日
1985年5月15日

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