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第18巻 第9号 1985年9月 [目次] [全文 ( PDF 842KB)]
原著

結腸間移植回腸上皮の組織学的,粘液組織化学的および細胞動態学的研究―DMH発癌との関連性について―

桂 康博, 安富 正幸, 松田 泰次, 坂田 育弘, 小川 雅昭, 丸山 次郎

近畿大学第1外科

 DMH発癌実験において癌がほとんど発生しないとされている回腸でも結腸間に移植することにより癌が好発すること,また移植回腸では好気性及び嫌気性菌叢の増加がみられることを報告した.そこで今回はSprague-Dawleyラットを用い回腸を結腸間に有茎移植することによる回腸上皮の変化を組織学的,粘液組織化学的,および3H-thymidineを用いたmicroautoradiographyによる検討を 行った.その結果,移植回腸では絨毛および腺窩の上皮細胞数はともに増加し,組織学的にhyperplasiaの像を呈した.HID-AB染色ではsialomucin染色性の増強が認められ,またmicroautoradiographyでは標識率の増大,増殖帯の上方への拡大がみられた.以上の所見は移植回腸にDMH発癌が好発したという現象を支持するものである.

索引用語
有茎回腸結腸間移植術, HID-AB染色, 粘膜上皮細胞数, 細胞増殖帯, labeling index

日消外会誌 18: 2049-2056, 1985

別刷請求先
桂 康博 〒659 芦屋市精道町6-10-306

受理年月日
1985年5月15日

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