原著
十二指腸潰瘍に対する迷走神経切離術後の再発に関する検討
土屋 誉, 佐々木 巌, 今村 幹雄, 今野 喜郎, 内藤 広郎, 成井 英夫
東北大学第1外科(主任:佐藤寿雄教授)
昭和40年から昭和59年までの20年間に教室で迷走神経切離術を施行した十二指腸潰瘍症例は134例で,このうち6例,4.5%が再発した.再発率を術式別にみると,TV+Pが63例中3例4.8%,SV+Pが29例中3例,12.0%でV+P全体では92例中6例,6.5%であった.一方,TV+A,SV+Aは1例の再発もみられなかった.再発例6例のうち3例は緊急手術例で,再発までの期間は1年7カ月であった.2例は保存的療法にて治癒し,4例は再手術を施行した.再発の原因についてみると,1例はZollinger-Ellison症候群であった.残り5例のうち4例までは酸分泌亢進によるもので,迷走神経切離術後MAOは非再発例に比べ高値を示した.
索引用語
十二指腸潰瘍, 迷走神経切離術, 迷切術後潰瘍再発, 胃酸分泌
日消外会誌 18: 2098-2105, 1985
別刷請求先
土屋 誉 〒980 仙台市星陵町1-1 東北大学医学部第1外科
受理年月日
1985年5月15日
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