原著
固有筋層まで達した大腸癌(pm大腸癌)の臨床病理学的検討
竹腰 知治, 田中 千凱, 伊藤 隆夫, 松村 幸次郎, 坂井 直司, 加地 秀樹*
岐阜市民病院外科, 同 病理検査部*
1976年~1983年の8年間に経験したpm大腸癌31例について臨床病理学的検討を加え以下の結果を得た.頻度は大腸癌全体の13.0%を占め,性別では女性に多く(67.7%),発生部位は直腸が多かった.腫瘍型では潰瘍型が多く(77.4%),大きさでは3.1 cm以上が多かった(61.3%).また組織型では高分化型が多く(80.6%),低分化型,粘液型は認めなかった.リンパ節転移は6例(19.4%)に認められ,そのうちn1(+)群は4例,n2(+)群は2例であった.組織別では中分化型に6例中3例(50%)と転移陽性率の高い傾向が認められた.脈管侵襲ではly(+)がv(+)より有意に多かった(p<0.001).予後でみると全症例の5年累積生存率は81.7%であった.その中で隆起型,中分化型の生存率の高い傾向が認められた.
索引用語
pm大腸癌
日消外会誌 18: 2118-2122, 1985
別刷請求先
竹腰 知治 〒500 岐阜市鹿島町7 岐阜市民病院外科
受理年月日
1985年5月15日
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