原著
皮膚疾患を伴った消化器癌症例の検討
島貫 公義, 宮田 道夫, 有馬 進太郎, 柏井 昭良, 金澤 暁太郎, 平本 力1), 矢尾板 英夫1)
自治医科大学消化器一般外科, 同 皮膚科1)
1974年から1983年の間に,皮膚疾患を伴った消化器癌症例(16例)として,胃癌857例中12例(皮膚筋炎3例,帯状疱疹2例,天疱瘡1例,類天疱瘡1例,紅皮症1例,結節性痒疹1例,他3例),結腸直腸癌303例中2例(皮膚筋炎1例,類天疱瘡1例),胆嚢,胆道癌81例中2例(天疱瘡1例,帯状疱疹1例)を経験し,年齢は平均66.7歳,男女比10:6であった.全体として分化型腺癌14例未分化型腺癌2例であった.治癒,非治癒切除術を問わず,主病変切除にて皮膚病変の改善を16例中9例に認めた.皮膚筋炎併存例はきわめて予後不良であり,皮膚病変出現時の癌検索にて必ずしも早期病変が発見されるわけではなかった.
索引用語
皮膚疾患と消化器癌
日消外会誌 18: 2131-2136, 1985
別刷請求先
島貫 公義 〒329-04 栃木県河内郡河内町薬師3311-1 自治医科大学消化器一般外科
受理年月日
1985年6月19日
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