原著
食道癌の進展範囲に関する診断―Computed tomographyおよび食道リンパ節シンチグラフィー
森 清志, 江口 研二, 加藤 抱一1), 渡辺 寛1), 飯塚 紀文1), 森山 紀文2), 照井 頌二2)
国立がんセンター内科, 同 外科1), 同 放射線診断部2)
食道癌切除例31例の術前computed tomography(以下CT)所見と手術,病理所見を対比し,CTによる食道癌進行度診断(リンパ節転移:N因子,外膜浸潤:A因子)を試み,その有用性を検討した.N因子の診断能についてはCTと食道リンパ節シンチグラフィーとの比較も行った.縦隔転移リンパ節の37%がCTで診断可能であり,CTとシンチグラフィー両者が施行された9例では縦隔転移リンパ節の診断率は前者35%,後者17%であり両者を併用すると43%が診断可能であった.CTおよびシンチグラフィーの併用は,よりN因子の診断率を向上させる.A因子についての診断成績は,正診率90%と診断能は高かった.以上の結果より,CTは食道癌の進展範囲の評価に有効であった.
索引用語
Computed tomography, 食道癌外膜浸潤, 食道癌転移リンパ節, 食道リンパ節シンチグラフィー
日消外会誌 18: 2263-2269, 1985
別刷請求先
森 清志 〒104 中央区築地5-1-1 国立がんセンター内科
受理年月日
1985年7月10日
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