原著
重症潰瘍性大腸炎に対する外科治療の検討―とくに緊急手術例を中心に―
佐々木 巌, 舟山 裕士, 土屋 誉, 成井 英夫, 佐藤 寿雄
東北大学第1外科
教室における潰瘍性大腸炎手術例53例のうち重症例は32例である.年代別では昭和40年以前は11例中5例,45%,昭和40~50年は25例中12例,48%,昭和50~59年は17例中14例,82%と重症例の占める割合は最近増加傾向にある.手術術式は症例に応じて種々の術式を施行したが二期的に回腸・直腸吻合を行い得た症例はなかった.重症例の手術死亡率をTrueloveらに準じたステロイドの強力静注療法施行前・後で比較すると前期の20%に比べ,後期では8.3%と改善が認められた.以上,本症の重症例における手術適応と時期の決定にはステロイドの強力静注療法が有用であると考えられた.
索引用語
重症潰瘍性大腸炎, 外科治療, 強力静注療法, 緊急手術, 手術適応
日消外会誌 18: 2362-2367, 1985
別刷請求先
佐々木 巌 〒980 仙台市星陵町1-1 東北大学医学部第1外科
受理年月日
1985年6月19日
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