原著
肝切除症例における分枝鎖アミノ酸投与の臨床的意義
浜崎 恵
久留米大学医学部第2外科(主任:古賀道弘教授)
肝切除43症例の術後に分枝鎖アミノ酸(以下BCAA)輸液を投与し,その有効性を検討した.血漿アミノ酸は術後21日目まで測定し,HPT,NH3,GOT,Albは術後14日目までの値を対照37症例と比較した.術前,肝硬変例に血漿アミノ酸のインバランスが認められたが,BCAA輸液投与により補正された.またBCAA輸液は術後のアルプミン合成を初めとする蛋白合成に促進的に働く一方,明らかなNH3低下作用を示し,術後のNH3上昇防止に有用であった.さらに術後早期のエネルギー源としての有用性も示唆され,肝切除後の栄養輸液の一つとして,BCAA輸液は適しているものと思われた.
索引用語
肝切除術後の栄養輸液, 栄養輸液と分枝鎖アミノ酸
別刷請求先
浜崎 恵 〒801 北九州市門司区浜町3-23 門司労災病院外科
受理年月日
1985年9月11日
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