原著
アミノピリン呼気テストによる肝障害患者の耐術能評価の有用性
宮崎 勝, 菅沢 寛健, 神野 弥生, 越川 尚男, 高橋 修, 志村 賢範, 河田 滋, 栗原 正利, 宇田川 郁夫, 伊藤 博, 遠藤 文夫, 藤本 茂, 奥井 勝二, 鈴木 一郎*
千葉大学医学部第1外科, *国立千葉病院外科
肝硬変,慢性肝炎,閉塞性黄疸,脂肪肝の35例の障害肝患者,および正常肝機能16例の計51例の腹部外科患者につき,術前に13C-アミノピリン吸気テスト(ABT)により肝機能予備力を測定し,その耐術度判定指標としての意義につき検討した.ABT値は正常群17.9±6.4(Mean±SD)に比べ慢性肝炎14.5±3.9,閉塞性黄疸13.9±5.2,脂肪肝13.0,肝硬変4.6±3.8(p<0.001)で低下を示した.術後肝不全死はすべて肝硬変例であり,耐術群の術前ABT(13.9± 4.4)に比べ死亡群は4.4±2.3と著明な低値(p<0.001)を示した.ABTは障害肝患者の外科手術時の耐術能評価法として極めて有用な検査と言える.
索引用語
アミノピリン呼気テスト, 肝障害, 肝機能予備力
別刷請求先
宮崎 勝 〒280 千葉市亥鼻1-8-1 千葉大学医学部第1外科
受理年月日
1985年9月11日
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