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第19巻 第2号 1986年2月 [目次] [全文 ( PDF 592KB)]
原著

高齢者胃十二指腸潰瘍―その特徴と手術成績について―

竹林 正孝, 西土井 英昭, 前田 みち郎, 木村 修, 川角 博規, 牧野 正人, 貝原 信明, 古賀 成昌

鳥取大学医学部第1外科

 70歳以上の高齢者胃十二指腸潰瘍手術例50例(胃潰瘍34例,十二指腸潰瘍6例,胃・十二指腸潰瘍10例)について,若年者潰瘍365例と比較し高齢者潰瘍の特徴と手術成績を検討した.高齢者では,若年者に比べ高位潰瘍が多く認められ,病脳期間は短い傾向にあった.合併症としては46%に出血や穿孔がみられた.とくに出血例は17例(34%)と高率であり,壁在動脈の動脈硬化のため止血困難であることが多く,手術時機をのがさないことが肝要である.われわれの慣用している広範囲胃切除術は,手術成績からみて直接死・合併症死はなく,術後状態も96%が満足しており,高齢者においても比較的安全で満足に足る術式であると考える.

索引用語
高齢者胃十二指腸潰瘍, 高位胃潰瘍, 広範囲胃切除術

日消外会誌 19: 127-132, 1986

別刷請求先
竹林 正孝 〒683 米子市西町36-1 鳥取大学医学部第1外科

受理年月日
1985年10月9日

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