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第19巻 第2号 1986年2月 [目次] [全文 ( PDF 916KB)]
原著

高カロリー輸液施行前後の上部小腸粘膜の形態学的変化ならびに3大栄養素吸収能の実験的研究

小川 東明

鳥取大学第1外科(指導:古賀成昌教授)

 高カロリー輸液(以下TPN)が上部小腸の形態・機能に及ぼす影響をみるために,イヌにTPNを3週間施行し,TPN前後で上部小腸粘膜の形態学的変化を光顕ならびに実体顕微鏡にて観察し,3大栄養素の吸収能を灌流法にて検討した.さらにガストリン動態ならびにガストリンと絨毛高,幅との相関も検討した.TPN後,絨毛高の減少傾向,幅の減少(p<0.05),腺管の萎縮,絨毛数の増加傾向がみられ,全体として粘膜の萎縮像を呈した.ガストリンはTPN後低下し(p<0.01),絨毛幅との間に相関がみられた.糖質,アミノ酸の吸収能はTPN前後で著変はみられなかったが,脂肪では低下傾向がみられた.

索引用語
高カロリー輸液, 小腸粘膜形態, 腸管吸収能, ガストリン

日消外会誌 19: 133-141, 1986

別刷請求先
小川 東明 〒683 米子市西町36-1 鳥取大学医学部第1外科

受理年月日
1985年10月9日

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