宿題報告
門脈圧亢進症の病態と外科治療の適応
吉田 奎介
新潟大学手術部
目的:肝予備能に基く食道静脈瘤治療指針を検討した.方法:Child分類に基き直達手術と内視鏡的硬化療法(以下硬化療法)の成績を評価し,手術例につき肝循環指標の予後との関連性を検討した.結果:直達手術とくに経胸経腹的食道離断術の止血効果は良好で累積5年出血率2.2%を示した.硬化療法後の累積3年出血率は41%と高率であったが,肝予備能不良例(Child C群)の生存率では累積3年生存率39%と直達手術の26%を上回った.肝予備能評価上ICGの血漿消失率と肝除去率は有用であった.結論:延命効果の面から肝予備不良例には硬化療法,Child AおよびB群では直達手術を優先すべきである.
索引用語
門脈圧亢進症, 食道静脈瘤, 食道離断術, 内視鏡的硬化療法
別刷請求先
吉田 奎介 〒951 新潟市旭町通1-757 新潟大学手術部
受理年月日
1985年11月12日
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