原著
内視鏡超音波検査による胃癌の深達度診断
北村 徳治, 上野 雅資, 太田 孝仁, 菅 敏彦, 浅井 透, 沢口 潔, 高橋 豊, 上田 博, 荻野 知己, 磨伊 正義
金沢大学がん研究所外科
ラジアルスキャン超音波内視鏡を使用し,胃癌36例を対象に超音波断層像による癌深達度の判定について検討した.正常胃壁は高エコー層,低エコー層が交互に現れる5層構造として明瞭に認識出来た.癌巣は一般に低エコーレベルを呈し,正常5層構造の中断・破壊・不整が深達度判定の指標となった.1群の壁在リンパ節では5 mm以上に腫大したものは描出可能であった.正確な深達度診断には癌巣が超音波振動子と垂直方向に位置することが必要で,幽門狭窄症例などこの条件を満たさない症例では描出不能であった.
索引用語
内視鏡超音波検査, 胃癌の深達度診断
別刷請求先
北村 徳治 〒921 金沢市米泉4-86 金沢大学がん研究所外科
受理年月日
1985年9月11日
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