原著
食道癌切除再建術後の小腸運動機能に関する検討
永田 潔
久留米大学第1外科(指導:掛川暉夫教授)
胸部食道癌切除半切胃管による再建術後の愁訴の原因を解明する目的でinfusion catheter systemによるopentip法で小腸内圧を測定するとともに腸管運動機能に深く関与する消化管ホルモンであるmotilinを測定した結果,血清motilin値は食道亜全剔群,胃切除群,単開腹群ともに術後減少を示すが,その後は経時的に上昇し,食道亜全剔群は胃切除群,単開腹群より有意(p<0.05)に高値を示した.また胸部食道癌切除半切胃管による再建術後の小腸内圧波形では空腹期には小腸運動波の出現遅延と異常収縮波発現頻度の増加,摂取期には正常摂取期波の出現遅延や小腸運動機能低下が認められ,これらが術後食物摂取時における種々の愁訴の因子に関与しているものと推察された.
索引用語
motilin, 小腸内圧測定, Motility index
別刷請求先
永田 潔 〒830 久留米市長門石町339-5 レジデンスランホー301号
受理年月日
1985年9月11日
|
PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です |
|