原著
直腸癌側方転移に対する拡大側方郭清―内腸骨血管合併切除の意義について―
森谷 よし皓, 小山 靖夫, 北條 慶一
国立がんセンター外科
進行直腸癌190例を対象にリンパ節転移,特に側方転移の実態と側方郭清の意義を検討した.治癒切除のリンパ節転移率は48%であった.Dukes Cでは,251番が81%と高率であり,側方転移も30%に認められ,側方郭清の重要性が示された.側方リンパ節のうちでは,262番の転移頻度が24%(20/84)と最も高かった.Dukes C通常側方郭清例の局所再発率は29%,特に側方転移例では42%と高率であった.この反省の上に立ち,内腸骨血管合併切除を伴う拡大側方郭清を29例に施行した.うち治癒切除20例(側方転移は6例)には局所再発を認めず,本郭清法は進行直腸癌に対し根治性の高い術式と考えられた.
索引用語
直腸癌, 直腸癌側方リンパ節, 直腸癌局所再発, 直腸癌側方リンパ節郭清
別刷請求先
森谷 よし皓 〒104 中央区築地5-1-1 国立がんセンター外科
受理年月日
1985年9月11日
|
PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です |
|