原著
胃癌・大腸癌におけるcarbohydrate antigen 19-9の臨床的検討―血清および免疫組織学的検討―
関川 浩司
福島県立医科大学第2外科(主任:阿部力哉教授)
Carbohydrate antigen 19-9(CA19-9)の胃癌・大腸癌における臨床的意義について血清および免疫組織学的立場から検討を加えた.対象は胃癌47例,大腸癌34例である.血清CA19-9は病期進行とともに高値を示す傾向にあり,また腫瘍量の増大とともに高値を呈した.さらに胃癌においては組織分化度が低くなるに従い血清CA19-9は高値を示した.また再発進行例においては予後判定因子としても有用であった.組織内CA19-9の局在に関しては酵素抗体法を用いることにより癌細胞胞体内にその存在を認めた.脈管侵襲と組織内CA19-9の有無をみたところ,静脈侵襲のある例に組織内CA19-9染色陽性となる例が多かったことは,癌進展度と組織CA19-9の関連性をうかがわせた.
索引用語
carbohydrate antigen 19-9, 癌関連抗原, 胃痛, 大腸癌, 酵素抗体法
別刷請求先
関川 浩司 〒960 福島市杉妻町4-45 福島県立医科大学第2外科
受理年月日
1985年11月12日
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