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第19巻 第4号 1986年4月 [目次] [全文 ( PDF 606KB)]
原著

大腸癌再発例における血中carcinoembryonic antigenの推移および他の血液検査値との関連

遠藤 健, 豊島 宏

日本赤十字社医療センター消化器外科

 大腸癌切除後の血中CEA測定による経過観察の有用性を確認する目的で,治癒切除後の大腸癌再発例45例(肝転移14例,局所再発23例,その他8例)における血中CEA値の推移を中心に検討した.肝転移例では術後CEA値が陰性に復さない例が半数を占めた.また,再発確認時のCEA陽性率は肝転移例の93%と同様に局所再発例でも87%と高率であった.CEAの陽性化は再発確認時期より平均2.1ヵ月先行しており,再検して陽性であれば再発部位の確認を急ぐ必要があると考えられた.再発後の再切除および照射の効果判定にCEAの測定が有用であること,またCEA値の推移とともに血沈の促進が再発の指標になりうることも確認された.

索引用語
再発大腸癌血中CEA値, 赤血球沈降速度促進

日消外会誌 19: 773-778, 1986

別刷請求先
遠藤 健 〒150 渋谷区広尾4-1-22 日本赤十字社医療センター消化器外科

受理年月日
1985年10月9日

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