原著
消化管平滑筋肉腫12例の臨床病理学的検討
津森 孝生, 中尾 量保, 宮田 正彦, 長岡 真希夫, 中村 正廣, 川島 康生, 吉川 幸伸1), 南 俊之介1), 澤田 道雄2), 吉龍 資雄2)
大阪大学第1外科, 東大阪市立中央病院外科1), 市立芦屋病院外科2)
消化管原発の平滑筋肉腫12例に対し,癌に準じたR2までのリンパ節郭清を含む治癒切除術を10例に,非治癒切除を2例に施行した.切除標本所見では腫瘍の管内性発育4例,管外性発育8例であり,Stage分類を行うと0期1例,I期5例,II期6例となった.術後経過は2ヵ月~9年7ヵ月の間で6例が生存,6例が腫瘍死した.死亡6例のうち5例はStage IIの進行症例であった.以上,12例の検討の結果,消化管平滑筋肉腫は管外性発育を示しやすく腫瘤径の大なるものが多いことがわかった.また予後を推測する上で組織学的分化度を加えたStage分類が有用であると考えられた.
索引用語
平滑筋肉腫, 消化管原発非上皮性腫瘍, 消化管原発平滑筋肉腫, 平滑筋肉腫のStage分類
別刷請求先
津森 孝生 〒553 大阪市福島区福島1-1-50 大阪大学医学部第1外科
受理年月日
1985年10月9日
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