原著
消化性潰瘍症例に対する胃内pH 24時間連続測定
旭 博史, 渡辺 正敏, 阿部 正, 西成 尚人, 森 昌造, 及川 和彦1)
岩手医科大学第1外科, 岩手県立江刺病院外科1)
携帯用小型pH記録装置を用い,より生理的な状態での胃内pH 24時間連続測定を行った.対象は胃潰瘍9例,十二指腸潰瘍6例,迷切例17例とした.十二指腸潰瘍の24時間胃内pHは摂食時を除き1~1.5と低く推移した.胃潰瘍ではpHは1~2の間で推移し,夜間にpHが著明に上昇するもの(4例)と十二指腸潰瘍のように低く推移するもの(5例)がみられた.迷切例では日中のpH上昇が大きいが,夜間ではpH 1.5前後で低く推移した.得られたpH値を10分毎にH+ activityに換算しその平均を求めた.24時間の平均H+ activityは十二指腸潰瘍66.7±9.0(M±SE mEq/l),胃潰瘍44.5±4.8,迷切例46.5±3.5で十二指腸潰瘍が高値を示した.
索引用語
24時間胃内pH, 胃・十二指腸潰瘍, 迷切後胃内pH
別刷請求先
旭 博史 〒020 盛岡市内丸19-1 岩手医科大学第1外科
受理年月日
1985年11月12日
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