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第19巻 第5号 1986年5月 [目次] [全文 ( PDF 479KB)]
原著

胃癌患者におけるcarbohydrate antigen 19-9の臨床的意義

浜田 吉則, 駒田 尚直, 今林 伸康, 中根 恭司, 高田 秀穂, 山村 学, 日置 紘士郎, 山本 政勝

関西医科大学外科

 胃癌患者70例を対象とし,経時的に血清carbohydrate antigen 19-9(以下CA19-9)値および血清CEA値を測定しその臨床的有用性を検討した.胃癌の血清CA19-9陽性率は22.9%(16/70)でstage別では病期の進行にともない有意に上昇した.術前異常値16例中治癒切除のおこなわれた12例では,術後血清CA19-9値は有意に低下した.一方切除不能例4例はすべてstage IV症例で,とくにH3の2例は著明な高値を示した.また血清CA19-9陽性率はリンパ節転移,肝転移,最大腫瘍径の因子により有意に上昇した.さらに血清CA19-9値と血清CA値を併用することにより胃癌の陽性率は上昇し,その診断能は向上した.以上より血清CA19-9値の測定は,胃癌患者の病期や治療効果を知る上で有用であった.

索引用語
胃癌, 血清CA19-9値, 血清CEA値

日消外会誌 19: 909-913, 1986

別刷請求先
浜田 吉則 〒570 守口市文園町1 関西医科大学外科

受理年月日
1985年11月12日

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