原著
局所熱希釈法による門脈血流量の測定に関する実験的研究―門脈血行動態に及ぼすdobutamineとdopamineの影響―
星野 澄人, 野浪 敏明, 加藤 俊之, 朝日 憲治, 中尾 昭公, 末永 昌宏, 高木 弘
名古屋大学第2外科
門脈血流量を測定する目的で,門脈用Swan-Ganz catheterを作成した.モデル回路内での流量測定実験において,局所熱希釈法による測定流量値と実測流量値の間には,極めて良好な一次相関が得られた.さらにこのカテーテルを用いdobutamineとdopamineの門脈血行動態に及ぼす影響につき雑種成犬を用い実験的研究を行った.その結果,門脈血流量はdobutamineでは30~50%,dopamineでは10~30%の増加がみられ,さらに心拍出量増加に対する門脈血流量増加の割合もdobutamineがdopamineに比較して大なる傾向が認められた.門脈圧はdobutamineでは低下傾向(8.4±2.1→7.4±1.6 mmHg),dopamineでは上昇傾向(7.4±1.4→10±1.7 mmHg)がみられ,門脈血管抵抗もdobutamineはdopamineに対して有意に低値をとった.
索引用語
門脈血行動態, Swan-Ganz catheter, 局所熱希釈法, dobutamine, dopamine
別刷請求先
星野 澄人 〒466 名古屋市昭和区鶴舞町65 名古屋大学医学部第2外科
受理年月日
1958年11月12日
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