原著
膵頭十二指腸切除術後の骨障害の検討
八木 雅夫, 高野 直樹, 山口 明夫, 竹下 八洲男, 小西 孝司, 藤田 秀春, 永川 宅和, 宮崎 逸夫
金沢大学医学部第2外科
膵および十二指腸切除後の骨障害を検討するため,膵頭十二指腸切除9例にPFD,5 g D-xylose試験と糖負荷試験を実施し,microdensitometer法(MD法)により骨量の計測を行った.同時に測定した膵全摘1例を合め,PFDは17.8~50.0%,D-xylose尿中排泄値は0.708~1.372 gと全例に消化吸収障害を認め,膵頭十二指腸切除8例に耐糖能異常を認めた.また,MD法では膵頭十二指腸切除6例が重症度4~6で初期の骨障害を示し,解全摘例では重症度14でIII度の骨障害を示した.骨障害の重症度と消化吸収障害の重症度との間には関連性は認められなかったが,術後経過期間との間には有意の正の相関が認められ,骨障害は術後経時的に高度化すると考えられた.
索引用語
膵頭十二指腸切除術, 消化吸収障害, microdensitometer法, 膵頭十二指腸切除術後骨障害
別刷請求先
八木 雅夫 〒920 金沢市宝町13-1 金沢大学医学部第2外科
受理年月日
1985年11月12日
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