原著
膵管内逆流現象の胆道X線映像分析による観察
横山 義弘
弘前大学医学部第2外科(主任:小野慶一教授)
外胆汁瘻設置患者120例について胆道末端部拡大X線映画を撮影し,膵管内逆流現象について検討した.この現象は31例(25.8%)に観察され,外胆嚢瘻5例中1例(20%),総胆管T字管設置85例中22例(25.9%),経十二指腸括約筋形成術術後30例中8例(26.7%)の頻度であった.膵管内逆流像出現31例のフィルムは1コマごとのトレースにより解析し,この現象は原則的にオッジ括約筋の弛緩期,換言すれば胆道内造影剤の十二指腸内流出期に一致して発生し,括約筋の緊張期すなわち流出停止期には発生しないことを確認した.
索引用語
膵管内逆流現象, シネラジオマノメトリー, 経十二指腸括約筋形成術, オッジ括約筋運動
日消外会誌 19: 1009-1019, 1986
別刷請求先
横山 義弘 〒036 弘前市在府町5 弘前大学医学部第2外科
受理年月日
1986年4月16日
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