原著
経皮経肝門脈造影像による内視鏡的食道静脈瘤栓塞療法後再発因子の検討
近森 文夫, 高瀬 靖広, 渋谷 進, 小林 幸雄, 折居 和雄, 岩崎 洋治, 福富 久之1), 大菅 俊明1)
筑波大学臨床医学系外科, 同 内科1)
1977年10月から1984年9月までに,内視鏡的食道静脈瘤栓塞療法前後に経皮経肝門脈造影を施行しえた25例を対象として,専属血流供給路の栓基の程度と再発との関係を検討した.食道静脈瘤のみの栓塞にとどまった群(I群)は5例,専属血流供給路途中まで栓塞された群(II群)は7例,専属血液係給路根部まで栓塞された群(III群)は13例であった.そして,各群の再発率はI群:60%(3/5),II群:57%(4/7),III群:8%(1/13)で,I.II群とIII群の間で再発率に有意差が認められた(p<0.05).したがって,内視鏡的栓塞療法を施行するにあたっては,専属血液供給路を十分に栓塞する必要があると思われた.
索引用語
食道静脈瘤再発, 内視鏡的食道静脈瘤栓塞療法, 経皮経肝門脈造影, 食道静脈瘤血流供給路
日消外会誌 19: 1543-1547, 1986
別刷請求先
近森 文夫 〒300-31 茨城県新治郡桜村並木2丁目107-301
受理年月日
1985年12月11日
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