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第19巻 第7号 1986年7月 [目次] [全文 ( PDF 808KB)]
原著

食道癌の進展様式の病理組織学的研究―特にその固有食道腺導管内侵襲ならびに神経周囲侵襲について―

高井 淳

日本医科大学第1外科学教室(主任:恩田昌彦教授), 埼玉県立がんセンター研究所病理部(主任:高山昇二郎部長)

 食道癌の進展経路を明らかにする目的で,150例の食道扁平上皮癌について上皮内伸展,固有食道腺導管内侵襲,脈管侵襲,神経周囲侵襲について病理組織学的に検索した.検索例中の神経周囲侵襲巣10病変について連続切片法で,主癌巣より癌の神経周囲に沿った浸潤の長さを測定した.上皮内伸展は60例(40%),導管内侵襲は30例(20%)に存在した.上皮内仲展例の50%に導管内侵襲を認めた.脈管侵襲は131例(87%),神経周囲侵襲は42例(28%)に認められた.神経周囲侵襲巣の長さは最大11 mm,最小2.4 mm,6.77±2.43 mm(Mean±S.D.)であった.食道扁平上皮癌の進展経路として固有食道腺導管内侵襲ならびに神経周囲侵襲の重要性が示唆された.

索引用語
食道癌, 食道癌上皮内伸展, 食道癌の導管内侵襲, 食道癌の神経周囲侵襲, 食道癌転移

日消外会誌 19: 1548-1554, 1986

別刷請求先
高井 淳 〒113 文京区千駄木1-1-5 日本医科大学第1外科

受理年月日
1985年11月12日

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