原著
噴門側胃切除術後の食道内逆流および胃運動・胃排出よりみた再建術式の実験的検討
巾 尊宣
順天堂大学第1外科学教室(主任:城所 仂教授)
本研究の目的は,噴門側胃切除術後の食道内逆流が予防され,胃排出の良好な術式を検討することにある.対象は成犬48頭を用い,方法は,食道胃内・内圧,胃運動,食道炎を指標とし,(1)食道胃吻合法―端々吻合(E-E)および端側吻合胃泡形成(E-S),(2)胃切除範囲―1/2または1/3切除,(3)幽門形成術(PP)付加の有無,(4)選択的近位迷走神経切離術(SPV)付加の有無により術式の検討を行った.その結果,E-S群では切除範囲および付加手術の有無に無関係にE-E群に比べ食道内逆流は少なく食道炎も軽度であった.1/3切除の場合はSPVを付加すればPP付加は必ずしも必要でないが,1/2切除の場合は,SPV付加の有無に関係なくPP付加が適当であることが分った.
索引用語
噴門側胃切除術, 食道胃前壁端側吻合胃泡形成術, 噴門側胃切除後残胃十二指腸運動, 逆流性食道炎
日消外会誌 19: 1565-1575, 1986
別刷請求先
巾 尊宣 〒113 文京区本郷2-1-1 順天堂大学医学部第1外科
受理年月日
1985年12月11日
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