原著
胃癌手術例における肝動脈幹背面リンパ節(8P)の臨床研究
佐々木 廸郎1), 熱田 友義2), 荻田 征美1), 唐沢 洋一3), 久米 祥彦4), 塩野 恒夫5), 塚田 守雄6), 戸塚 守夫7), 長谷川 紀光8), 西田 陸夫9), 平尾 雅紀10), 藤沢 純爾11)
1)国立札幌病院・北海道がんセンター外科, 2)市立旭川病院外科, 3)旭川唐沢病院, 4)函館協会病院外科, 5)帯広協会病院外科, 6)札幌斗南病院外科, 7)札幌医科大学第1外科, 8)札幌厚生病院外科, 9)勤医協中央病院外科, 10)市立室蘭病院外科, 11)旭川厚生病院外科
肝動脈幹背面に存在するリンパ節は胃よりはむしろ膵に所属するリンパ節と考える.
今回,胃癌手術85例においてそのリンパ節を検討した結果,当該リンパ節は75%の症例に存在が確認されたごとく,ありふれたリンパ節で,2/3が周囲のリンパ節と連続しておりその相手は取扱い規約の8・12・13番などが主であった.
しかし実際に転移を認めた例は8番よりは1/2程度低く,12・13番など取扱い規約の3群とされたものに匹敵しており,他の背景因子をみると進行度が高いものばかりで,現時点ではこのリンパ節を郭清することにより治癒を期待できるリンパ節ではないと判断された.
索引用語
胃癌リンパ節転移率, 胃癌2群リンパ節, 肝動脈幹背面リンパ節, 胃痛リンパ節郭清効果
日消外会誌 19: 1594-1599, 1986
別刷請求先
佐々木廸郎 〒003 札幌市白石区菊水4条2丁目 国立札幌病院北海道がんセンター外科
受理年月日
1985年12月11日
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