原著
食道再建胃管の機能―特に胃内容排出時間の検討―
白羽 誠, 泉谷 良, 松本 博城, 河村 正生, 須藤 峻章, 寺田 益士
近畿大学第2外科
食道再建に用いた亜全胃の排出能をみるために,99 mTc-Sn colloidによる胃管内容排出時間を測定した.術後1~2ヵ月と6ヵ月以上の23例(後縦隔11例,胸骨後経路12例)の胃内容排出曲線,50%排出時間,幽門形成術付加の影響,術後摂食状況などについて検討した.その結果,胃内容排出曲線は,slow,delayed,rapid typeの3型に大別できた.後縦隔では胸骨後に比べ排出時間は遅延した.幽門形成術付加の有無による排出時間に有意差はなかった.術後摂食状況は,slow,delayed,rapidtypeの順に愁訴は少なかった.胸腔内再建胃管に食物が停滞すればする程,愁訴が増すと考えられ,食物移送を重視した.より細い胃管が望ましいと推察された.
索引用語
食道癌術後再建胃管機能, 99 mTc-Sn colloid, 胃管内容排出時間, 食道癌術後食物摂取状況
日消外会誌 19: 1683-1688, 1986
別刷請求先
白羽 誠 〒589 大阪府南河内郡狭山町西山380 近畿大学医学部第2外科
受理年月日
1986年1月8日
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