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第19巻 第8号 1986年8月 [目次] [全文 ( PDF 996KB)]
原著

糖尿病合併症例の胃切除後の耐糖能の変化

近藤 高志

順天堂大学第1外科

 糖尿病および非糖尿病例122例を対象に胃切除後の耐糖能の変化を検討した.0-GTTでは非糖尿病群で耐糖能悪化,高IRI反応となるが,糖尿病群は耐糖能の改善,インスリン初期分泌の上昇をみた.IRCは術後高反応を示し,両群に差はなかった.iv-GTTでは非糖尿病群の耐糖能悪化,IRI反応低下に対し,糖尿病群では耐糖能,IRI反応は不変であった.非糖尿病胃全摘後0-GTTの経時的変化は,術後1週では比較的平たんな血糖曲線となった.その後徐々に急しゅんとなり,6ヵ月以後著しいoxyhyperglycemia型を持続した.糖尿病例O-GTTでの耐糖能改善は,胃切除後の体重減少によるインスリン感受性改善とインスリン分泌改善によると考えられた.

索引用語
胃切除, 糖尿病, O-GTT, iv-GTT, グルカゴン

日消外会誌 19: 1689-1698, 1986

別刷請求先
近藤 高志 〒113 文京区本郷2-1-1 順天堂大学医学部第1外科

受理年月日
1985年12月11日

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