原著
系統的肝切除への新しい工夫―円錐型金属片を使った肝切除について―
才津 秀樹, 奥田 康司, 佐藤 光治, 中越 完平, 浜崎 恵, 溝口 博保, 広瀬 直樹, 浦口 憲一郎*, 矢野 真, 三好 敦生, 野中 道泰*, 吉田 晃治*, 中山 陽城, 中山 和道, 古賀 道弘
久留米大学第2外科, 国立久留米病院外科*
肝切除に際して,切除すべき脈管と残さなければならない脈管を十分に認識しつつ切除をすすめることは少なからず困難である.
われわれは7×3 mmの円錐型金属片を考案し,これに糸をつけ肝切除時ポイントとなる部位に,超音波映像下に穿刺留置しておき,金属片に向って糸に沿い肝切除をすすめるようになり,さらに安全かつ正確な肝切除が可能となった.肝細胞癌3例,胆嚢癌1例,肝門部胆管癌2例の計6例に使用したが極めて有用であった.なお,金属片は超音波ではcomet signを伴なったstrong echoとしてとらえられ,十分鑑別が可能であった.
索引用語
肝切除術, 肝細胞癌, 術中超音波検査, 肝切除用器具, 円錐型金属片
日消外会誌 19: 1718-1725, 1986
別刷請求先
才津 秀樹 〒830 久留米市旭町67 久留米大学医学部第2外科
受理年月日
1986年1月12日
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