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第19巻 第8号 1986年8月 [目次] [全文 ( PDF 587KB)]
原著

胆道シンチグラフィーによる胆汁排泄動態からみた胆石症と十二指腸旁乳頭部憩室

青木 洋三, 山口 和哉, 川口 富司, 嶋田 浩介, 上田 耕臣, 川嶋 寛昭, 勝見 正治

和歌山県立医科大学消化器外科

 pinhole collimator装着胆道シンチグラフィーを用いて胆石症術後89例の胆汁排泄動態を観察した.旁乳頭憩室併存例はこの内の11例,12.4%で,特に原発性胆管結石例では7例中3例,42.9%と高率に合併した.胆道シンチグラフィーから得られたtime-activity curveをもとに胆道末端部から十二指腸への胆汁排泄能を胆道末端部におけるradioactivityの減衰率で表現すると,胆嚢結石,胆嚢逸脱胆管結石例では憩室の有無で差がないのに,原発性胆管結石例では憩室合併例で著明に低下していた.これらの結果は,旁乳頭憩室が胆道末端部括約筋機能に影響を与え,胆汁のうっ滞,ひいては胆管結石形成の一因たりうることを推察させるものであった.

索引用語
胆道シンチグラフィー, 胆石症, 十二指腸旁乳頭憩室, Oddi筋, 胆道末端部括約筋機能

日消外会誌 19: 1753-1758, 1986

別刷請求先
青木 洋三 〒640 和歌山市7番丁-1 和歌山県立医科大学消化器外科

受理年月日
1986年1月8日

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