宿題報告
ヌードマウスを用いたヒト胃癌の研究
中谷 勝紀
奈良県立医科大学第1外科
ヌードマウスに移植された腫瘍は,継代を重ねても原腫瘍の形態や機能をよく保持し,染色体も変化しないことより,ヒト癌研究の優れた実験系とされている.
今回,種々の胃癌組織をヌードマウスに移植し,(1)生物学的特性としての生着,増殖と転移,(2)AFPとCEA産生胃癌および印環細胞癌の特性,(3)ヌードマウスの脾摘や抗アシアロGM1抗血清投与の増殖に及ぼす影響,(4)患者の予後と発育態度,すなわち生着および発育速度と患者の生存率との関係,(5)制癌剤感受性試験,(6)胃癌の癌遺伝子などの点に言及し,ヒト胃癌の研究に有用であることを報告した.
索引用語
ヌードマウス, 胃癌, 移植
日消外会誌 19: 1865-1872, 1986
別刷請求先
中谷 勝紀 〒634 橿原市四条町840 奈良県立医科大学第1外科
受理年月日
1986年6月16日
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