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第19巻 第9号 1986年9月 [目次] [全文 ( PDF 919KB)]
宿題報告

肝硬変併存肝癌の切除術式の選択基準―安全性,根治性を考慮に入れた切除範囲の調節とそれに必要な手術手技の工夫―

高崎 健

東京女子医科大学消化器病センター

 肝硬変併存肝癌の切除に当っては,安全性のための縮小化手術と根治性のための拡大手術という相反した要求のバランスの上に立って術式の検討が行われなければならない.安全性については残存肝機能がICG R15で40%は確保されるまで切除許容限界を把握するための簡便表を作成した.根活性については切除標本での病理組織所見と予後との関係を検証し,被膜の有無,被膜外進展,娘結節,門脈腫瘍栓などの予後不良因子を考慮に入れた切除範囲の調節および合併療法の適応基準を明確にした.このような検討結果に基づき安全性,根活性ともに満足させ,どのような形の肝切除にでも対応しうる,肝内側グリソン鞘処理による肝切除術を工夫した.

索引用語
系統的肝切除術, 肝区画切除, 肝染色, 肝区域, グリソン鞘処理

日消外会誌 19: 1881-1889, 1986

別刷請求先
高崎 健 〒160 新宿区河田町8-1 東京女子医科大学消化器病センター

受理年月日
1986年7月9日

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