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第19巻 第9号 1986年9月 [目次] [全文 ( PDF 1155KB)]
原著

食道静脈瘤硬化療法における各種硬化剤による食道・胃壁の組織変化に関する実験的研究

猪狩 次郎

聖マリアンナ医科大学第1外科(主任:渡辺 弘教授)

 食道静脈瘤内視鏡的硬化療法に用いられる4種類の硬化剤を,イヌの正常な食道・胃粘膜下層に直視下に注入し,その注入部位の組織損傷の程度,創傷治療過程に関して,肉眼像,微細血管造影像,組織像にて経時的に観察した.absolute Ethanolが最も激烈な組織損傷を食道・胃壁に及ぼし,次いで5%Phenol almond oil,5%Ethanolamine oleate,1%Polidocanolの順で組織損傷が強かった.すべての硬化剤注入部位に潰瘍形成をみたが,全例14日目で瘢痕治癒した.創傷治癒に関しては,1%Polidocanolで最も線維化が速やかにかつ強く起こり,paravasal法で注入される硬化剤としては,1%Polidocanolが最適であるとの結論を得た.

索引用語
食道静脈瘤, 内視鏡的硬化療法, 硬化剤, paravasal法

日消外会誌 19: 1897-1907, 1986

別刷請求先
猪狩 次郎 〒213 川崎市宮前区菅生2095 聖マリアンナ医科大学第1外科

受理年月日
1986年2月11日

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