原著
肝内結石症の治療成績
堀田 敦夫, 深井 泰俊, 吉田 英晃, 菊川 政男, 吉川 高志, 桜井 隆久, 畑 芳樹, 堀川 巳清
奈良県立医科大学第1外科
I,IE型肝内結石症30例をRL型8例(I群)とRまたはL型22型(II群)に分け検討した.(1)入院回数:I群はII群に比べ入院回数が多い.(2)胆管狭窄:I群はS0S1症例であったが,II群ではS1S2特にS2症例が多い.(3)手術方法:I群のS0症例の主術式は胆摘兼総胆管切開切石兼T字管設置,S1症例では個々の病態に合った治療を行っている.II群では肝葉・区域切除が主術式であった.(4)遺残結石と切石方法:I群では87.5%,II群では13.6%が術後内視鏡的切石を受けている.(5)予後:II群の方がI群より良好症例が多い.
RL型肝内結石症には内視鏡的切石とともに胆管狭窄に対して区域切除や拡大胆管空腸側々吻合を併用する必要がある.
索引用語
肝内結石症, 胆道内視鏡的切石, 遺残結石, 胆管狭窄, 肝切除
日消外会誌 19: 1930-1935, 1986
別刷請求先
堀田 敦夫 〒634 橿原市四条町840 奈良県立医科大学第1外科
受理年月日
1986年2月12日
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