原著
ヌードマウス移植ヒト胃癌に対するInterferon-βとMitomycin Cの併用効果
高橋 豊, 上野 雅資, 磨伊 正義, 荻野 知己, 上田 博, 北村 徳治, 沢口 潔, 浅井 透, 太田 孝仁, 菅 敏彦, 秋本 龍一1)
金沢大学がん研究所外科, 浅の川総合病院外科1)
Interferon(以下IFN)の新しい抗腫瘍効果として,ヌードマウス移植ヒト胃癌株OSSを用い,IFN-βとMitomycin C(MMC)の併用効果を検討したところ,有意の腫瘍増殖抑制効果を得ることができた.これにより,これまで胃癌に無効とされていたIFNも,今後臨床面において制癌剤との併用療法として期待されるものと考えられた.またIFN-βの投与方法として,連日投与から3日に一度投与に変更した結果,まったく抗腫瘍効果を得ることができなかった.これは制癌剤の抗腫瘍効果の増強作用における,IFN-βの作用機序を解明する上で注目された.
索引用語
胃癌, Interferon, ヌードマウス
日消外会誌 19: 2027-2029, 1986
別刷請求先
高橋 豊 〒921 金沢市米泉町4-86 金沢大学がん研究所附属病院外科
受理年月日
1986年2月12日
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