原著
十二指腸潰瘍患者の酸分泌異常に関与する因子についての検討
山岸 健男, 斉藤 光
関東逓信病院消化器外科
十二指腸潰瘍患者の酸分泌異常に関与する因子として“酸分泌能”“壁細胞の感受性”“内因性酸分泌刺激”をとり上げて検討した.おのおのの指標として,テトラガストリン漸増投与テストから得たCalculated Maximal Response(CMR),Half Maximal Dose(D50)と,食餌刺激後Integrated Gastrin Response(IGR)を用いた.十指指腸潰瘍群のCMR,IGRの平均値は胃潰瘍群に比べて有意に大きかった.個々の患者の検討により,十二指腸潰瘍患者をCMR大,IGR小のsubtype 1とCMR小,IGR大のsubtype 2に分けることができた.これらの因子による十二指腸潰瘍患者の分類はその手術術式の選択に際して有用であることが示唆された.
索引用語
十二指腸潰瘍, 酸分泌能, 壁細胞感受性, 内因性酸分泌刺激, 選択的近位胃迷走神経切離術
日消外会誌 19: 2035-2042, 1986
別刷請求先
山岸 健男 〒247 鎌倉市梶原3-5-10
受理年月日
1986年2月12日
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