原著
胆道系悪性腫瘍に対する経皮経肝胆道ドレナージの評価
青木 克彦
東京慈恵会医科大学第1外科学教室
膵・胆道系悪性腫瘍による閉塞性黄疸に対し,経皮経肝胆道ドレナージ(PTBD)のみをした47例,その後手術的内瘻術をした10例,根治手術をした6例と,PTBDをせずに直接内瘻術をした7例,根治手術をした11例,手術なし49例の予後を比較検討した.黄疸放置群に比しPTBD群は有意に生存期間の延長がみられた.手術的内瘻術と根治手術の術前PTBDによる減黄は,術後の経過や生存期間に影響を及ぼさなかった.PTBDカテーテルによる内瘻化は,手術的内瘻術と遜色ない生存期間が得られた.PTBDは閉塞性黄疸には有力な治療手技であるがルーチンに術前PTBDをせず,一期的手術が可能なら手術を,不可能ならPTBDによる内瘻術を行ったほうがよいと考えられる.
索引用語
胆道ドレナージ, 胆道系悪性腫瘍, 閉塞性黄疸の予後, 減黄手術
日消外会誌 19: 2043-2049, 1986
別刷請求先
青木 克彦 〒105 港区西新橋3-25-8 東京慈恵会医科大学第1外科
受理年月日
1986年2月12日
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