原著
大腸の早期癌の検討
石井 慶太, 岡部 聡, 中島 和美, 安藤 昌之, 若山 宏, 高相 進, 金子 慶虎, 竹村 克二, 遠藤 光夫
東京医科歯科大学第1外科
大腸m・sm癌49例(m癌27病巣,sm癌23病巣)の肉眼型と深達度,腫瘍内に占める癌の大きさと深達度,および治療について検討を行った.Ip,Isp,Isの30~40%,IIaの50%,IIa+IIcなどの複合型の100%がsm癌であった.2 cm以上の癌の60%(11例)がsm,40%(7例)がmで,大きさと深達度の相関は認めなかった.m癌でリンパ節転移を認めた例はなく,癌の遺残さえ起こさなければpolypectomyもしくは経肛門的腫瘍切除などで十分根治性が得られた.sm癌でリンパ節の病理学的検索を行えた20例中2例(10%)に壁在リンパ節の転移を認めた.したがってsm癌では根治性の面からR2のリンパ節郭清を伴う手術が望まれた.
索引用語
大腸sm癌のリンパ節転移, 大腸早期癌の治療
日消外会誌 19: 2050-2056, 1986
別刷請求先
石井 慶太 〒113 文京区湯島1-5-45 東京医科歯科大学第1外科
受理年月日
1986年2月12日
|
PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です |
|