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第19巻 第10号 1986年10月 [目次] [全文 ( PDF 404KB)]
特集

高齢者食道癌手術における侵襲範囲とリスクファクター

岡 正朗, 石上 浩一, 村上 卓夫, 本間 喜一, 正木 康史, 内山 哲史

山口大学第2外科

 70歳以上の高齢者胸部食道癌43例について術後合併症発生のリスクファクターを検討した.高齢者では全例に術前検査異常を認め,術後合併症は,縫合不全と肺合併症が主なものであった.また,術前肺機能検査では,1秒率およびFEV1.0/m2が低下している例が多かったが,術後肺合併症の予想因子とはならなかった.開胸側の比較では,右開胸例が左開胸例に比べて,約4倍の発生率であったが,術後呼吸管理の進歩により,肺合併症の発生は半分以下となった.縫合不全はChE値0.5以下の例に頻発しており,術式の改良により減少した.5生率では,70歳以下と高齢者では差がなく,症例を選べば,高齢者でも十分な根治性を得られると考えられた.

索引用語
高齢者食道癌, 肺合併症, 縫合不全

日消外会誌 19: 2092-2095, 1986

別刷請求先
岡 正朗 〒755 宇部市西区小串1144 山口大学医学部第2外科

受理年月日
1986年6月16日

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