特集
早期ダンピング症候群の症状分析および術前予測法に関する検討
渡部 洋三, 津村 秀憲, 城所 仂
順天堂大学第1外科
本研究の目的は,早期ダンピング症候群(早期ダ群)の症状を詳細に分析し,判定規準の見直しを試みるとともに,一部の症例には術前にダンピング誘発試験を行い,術前の予測法を検討することにある.対象は,ダンパー410例と術前誘発試験症例38例である.ダンパーの術前予測は,50%ブドウ糖150 mlを術前経内視鏡的に十二指腸へ注入して誘発試験を行って症状分析,循環血漿量および血中活性アミンの測定などを行い検討した.その結果,全身症状が1つあるいは2つのみの例は,腹部症状ことに腹鳴,腹痛,下痢,腹満の4症状を考慮する必要があることが分った.またダンピング誘発試験は,術前における早期ダ群の予測法として有用である.
索引用語
早期ダンピング症侯群, 高張ブドウ糖液十二指腸内注入, ダンピング症候群の術前予測法
日消外会誌 19: 2134-2137, 1986
別刷請求先
渡部 洋三 〒113 文京区本郷2-1-1 順天堂大学医学部第1外科
受理年月日
1986年6月16日
|
PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です |
|