各種胃切除後の逆流性食道炎の発生と対策

渡辺　正敏, 西成　尚人, 中村　隆二, 近藤　宗廉, 阿部　正, 旭　博史, 佐藤　雅夫, 杉村　好彦, 菊池　充, 森　昌造

岩手医科大学第1外科

　噴門側切除（噴切）37例，幽門側切除（幽切）117例，全摘168例を対象に，胃切除後の逆流性食道炎について検討した．噴切では，端々，端側吻合の食道炎発生は100％，60％と高率であったが，弁形成吻合，空腸間置での逆流はみられなかった．幽切ではB-I法の在院中の愁訴（21％），食道炎（29％）はB-II法より多く，ヒス角鈍化を67％に伴い，遠隔アンケート調査での愁訴は36.2％にみられた．残胃十二指腸間有茎空腸間置術では逆流なく，LES圧平均20 mm Hgで，alkaline refluxは1.4分/時，最長逆流時間4.0分と短縮を示した．全摘での逆流頻度は，B-II吻合（87％）に比べ，吻合間距離35～40 cmのRoux-Y吻合（18％），空腸間置（16％）がより低率であった．

索引用語
術後逆流性食道炎, 残胃十二指腸間有茎空腸間置術, 弁形成吻合

別刷請求先
渡辺　正敏　〒020　盛岡市内丸19-1　岩手医科大学第1外科

受理年月日
1986年6月16日

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