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第19巻 第10号 1986年10月 [目次] [全文 ( PDF 385KB)]
特集

胃切除後の胆嚢機能障害―とくに術後早期に発生する胆石症について―

伊藤 徹, 小西 敏郎, 真船 健一, 窪田 敬一, 照屋 正則, 針原 康, 小菅 智男, 柴山 和夫, 笹子 三津留, 出月 康夫

東京大学第2外科

 胃癌切除例121例を対象に,外来で超音波検査を施行し,術後胆石の発生の有無を検索した.その結果,27例(22.3%)と高頻度に胆石が発見された.胆石発見時期は,術後平均21.1±15.6ヵ月で,術後比較的早期であった.Appleby手術後では,とくに高い発症頻度であった.リンパ飾郭清度別では,術後胆石の発生はR0,R1症例にはみられず,R2症例に限られた.胆石の種類は色素胆石が主体と考えられ,成因としては,胆嚢収縮能の低下と胆汁組成の変化が考えられる.今後は胃切除後症候群の一つとして,胃切除後胆石の問題をとり上げ,検討していくべきである.

索引用語
胃切除後胆石症, 胃切除後胆嚢機能障害, 胃切除後症候群

日消外会誌 19: 2154-2157, 1986

別刷請求先
伊藤 徹 〒113 文京区本郷7-3-1 東京大学医学部第2外科

受理年月日
1986年6月16日

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